個人事業主の開業に関するお悩みを解決

「開業」というと、なんとなくサロンや飲食店、クリニックなどの店舗や施設をオープンするイメージかもしれませんが、個人事業主として起業する(ビジネスを始める)人は、みんな「開業」ということになります。
正式には、税務署に「開業届」を提出したら「開業」です。
なので、仮に副業であっても、「開業届」を提出したのなら、個人事業主として開業したことになります。

「何のビジネスで独立・起業するかは決めたけど、「開業」というと、なんとなく難しい気がして、不安になってしまう・・・」
という方、もしかしたらたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
わからないものを相手にすると、漠然とした不安に襲われますよね。

身近に起業した人がいれば質問もできますが、周りがお勤めの人ばかりだと、誰に何を相談すればよいかもわからないと思います。
何なら、「起業は危険だからやめた方がいいよ!」といらぬアドバイスをされかねません。
そんな方のために、私が自身の経験から、個人的に役立ちそうだと思った内容をまとめてみましたので、もしよかったら参考にしてみてください。


開業の手続きって、どうしたらいいの?

開業

基本的に、個人事業主の開業の手続きというのは、「開業届」を税務署に提出することです。
もし、認可や許可が必要な業種の場合は、それらの対応も必要です。
フリーランスのようなお仕事をされる人は、「開業届」を提出するだけで、手続きは完了します。

開業届の提出をカンタンに済ませたい人は、「開業freee」というサービスがとても便利です。
無料で開業届が作成できますので、これから提出する方はぜひ利用してみてください。

「開業freee」を使用してみた感想をもっと詳しく知りたいという方は、こちらのページに詳しく書きましたので、参考にしてみてください。


お金の管理って、どうしたらいいの?

開業

開業した場合、プライベートとお仕事で、お金の管理はわけなくてはいけません。
だからと言って、
「絶対にプライベートのお財布からお仕事用の支払いを立て替えてはいけない」
と言うほど、厳しくはありませんが、ある程度わけて管理しておかないと、自分でも何が何だかわからなくなってしまい、後から困ることになります。

プライベートであれば、家計簿を付けなくても、最終的に家計が回っていればOKとなるかもしれません。
でも、事業の場合は、ルール上、きちんと帳簿をつけなくてはいけないので、プライベートとお仕事のお金がぐちゃぐちゃになってしまうと、どれがお仕事用だったのか、後で振り分けるのが大変になってしまいます。

なので、領収書はプライベート用とお仕事用でわけて保管し、銀行口座やクレジットカードは、お持ちのどれかひとつをお仕事用として使うようにすると、管理がしやすくなります。


事業用の口座とカードって、どうしたらいいの?

銀行

個人事業主用のビジネス口座やビジネス用のクレジットカードは必須ではありませんが、もし屋号入りの口座を開設したい、ビジネスカードを作りたいということであれば、新しく作ってみても良いかと思います。

事業用の口座開設についてですが、個人用の口座開設に比べると、審査が厳しめなので、提出物も多くなります。
開業直後の口座開設では、開業届の控えの提出を求められますので、控えは必ず手元で保管しておくようにしてください。
あと、事業の実体があるかの確認として、ホームページやチラシ・パンフレット・請求書・契約書などのいずれかの提出を求められますので、事前に準備しておくと、手続きもスムーズです。

なお、どの金融機関で事業用の口座を開設したらよいかについてですが、個人的には、審査の難易度と利便性、振込手数料の観点から、ネット専業銀行がおすすめです。
信用性の観点ではメガバンクが強いと言われますが、イマドキそこに信用性を見出すのは、ご年配の方のうちの一部だと思うので、実質的なメリットを考えれば、ネット専業銀行がベストだと思います。

ちなみに、従業員を雇用し、社会保険料を支払う必要がある場合、ネット専業銀行だと、社会保険料の口座振替ができなかったりします。こういった不便なケースもたまにありますが、基本的に困ることはありません。
信用金庫も口座開設の難易度は低いようですが、ネットバンキングの機能が使いにくかったり、振込手数料がとても高かったりして、デメリットが多いので、あまりおすすめしません。

銀行の種類 メリット デメリット
ネット専業銀行 審査が通りやすい
システムが使いやすい
振込手数料が安い
社会保険料の口座振替ができない可能性が高い
メガバンク 信用性が高い 審査が厳しめ
信用金庫 審査が通りやすい システムが不便
振込手数料が高い

私は、事業ごとに入金口座をわけたかったり、経費支払専用の口座を作りたかったり、いくつかの理由があって、楽天銀行、PayPay銀行、GMOあおぞらネット銀行の3つの個人事業主用のビジネス口座を利用しています。
操作性は異なるものの、どれもシンプルで使いやすいです。
(銀行によっては、ネットバンキングで、パスワードをいくつも使い分けたり、何度も入力させたりと面倒な仕様のものもありますが、上記の3つの銀行は操作性も簡単です。)

楽天銀行とGMOあおぞらネット銀行は個人口座の開設が前提となっていますが、PayPay銀行は個人口座を持っていなくても、事業用の口座開設が可能です。
この3つの銀行でどれかひとつをおすすめするとすれば、開設手続きの簡便性と振込手数料の安さから、GMOあおぞらネット銀行かなと思います。

楽天銀行は資料の提出が郵送になっており、手間と時間がかかります。キャッシュカードやデビットカード(JCB)を個別に申込まなくてはいけないのも少々不便です。
その点、PayPay銀行とGMOあおぞらネット銀行は、資料の提出がオンラインで完結でき、口座開設をするとVISAデビット機能付きのキャッシュカードがあたり前に送られてきます
他行宛の振込手数料を比較すると、楽天銀行が229円(3万円未満だと150円)、PayPay銀行が160円、GMOあおぞらネット銀行は145円です。
ということで、まずひとつ事業用口座を作るならGMOあおぞらネット銀行が良いかと思います。

銀行名 資料の提出方法 各カードの発行 振込手数料
楽天銀行 郵送 キャッシュカードおよびJCBデビットカードは要別途申込 229円(3万円以上)
150円(3万円未満)
PayPay銀行 オンライン VISAデビット機能付きのキャッシュカード自動発行 160円
GMOあおぞらネット銀行 オンライン VISAデビット機能付きのキャッシュカード自動発行 145円

確定申告って、どうしたらいいの?

確定申告

開業すると、必ず行う必要が出てくるのが確定申告です。
会社員の時は、基本的に会社が年末調整を行ってくれるので、個別の事情がない限り、自分で確定申告をする必要がありません。
個人事業主の場合は、自分が動かない限り、誰かが勝手に確定申告を行ってくれるということはありませんので、対策を事前に考えておく必要があります。

もし最初から事業規模が大きかったり、事業内容が複雑だったり、従業員を雇用したり、度々大きなお金が動くようであれば、始めから税理士の先生に相談した方が安心です。
確定申告前に駆け込もうとすると、忙しくて受け付けてもらえなかったり、雑な対応をされたり、既に手遅れで取り返しがつかないものがあり、損してしまうこともあるからです。

一方、フリーランスの方であったり、自宅で副業をしていたり、日頃の取引もシンプルな方であれば、自力で対応することも可能です。
このような方々は、日々会計ソフトに取引を入力し、年が明けたら確定申告を行います。
会計ソフトについては、元々簿記の知識がない方であれば、「会計freee」がおすすめです。
日々の取引入力も確定申告書の作成も、わかりやすいガイドに沿って入力していけば、そこまで悩むようなこともなく、進めることができます。
(住宅ローンを利用して住宅を購入し、住宅ローン控除を行いたい場合は、金額の影響も大きいので、税理士の先生に依頼した方が安全です。)

他の会計ソフトは、元々簿記の知識がある方でないと厳しいと思いますので、どうしても「マネーフォワードがいい!」「弥生会計がいい!」など、こだわりの会計ソフトがある方は、先に簿記3級だけでも勉強されることをおすすめします。

トップに戻る