開業届に関するお悩みを解決

管理人のちーたーも、個人事業主としてお仕事を始めるにあたって「開業届」を提出しましたが、個人事業主として起業する方にとって、「開業届」は必須の提出書類です。
これまでサラリーマンやOLとしてお仕事をされてきた方からすると、なかなか見かけることのない書類だと思いますので、いざ「起業だ!」といった時に「これ、どうしたらいいの?」と頭を悩ますことも多いと思います。

当時は私もいろいろ悩みましたが、今は税理士の先生と一緒に記帳代行などのお仕事もしていることもあって、開業届も見慣れた書類になりました。
なので、私が悩んだことなども思い出しながら、開業届の提出に関してお役に立ちそうな知識をお伝えしていきたいと思います。


開業届の書き方・作成方法は?

開業届

開業届の各項目の書き方に悩んでいる方については、ひとつひとつどうしようか悩むより、解説付きで簡単に開業届が作成できる「開業freee」というサービスを利用されるのが手っ取り早くておすすめです。

私も開業届はこちらのサービスを利用して作成しましたが、説明も丁寧でわかりやすく、流れに沿って進めていくだけで、本当にあっという間に開業届が完成します。また、他の必要書類も漏れなく作成でき、提出先の税務署の宛名ラベルまで作成してくれる親切ぶりなので、こんなにも便利なものがあるのかと感動します。
料金も「無料」なので、自分で調べながら苦労して書類を作成する理由がありません。

なので、書き方に悩んでいるという方は、まず「開業freee」を覗いてみていただけたらと思います。

「開業freee」を使用してみた感想をもっと詳しく知りたいという方は、こちらのページに詳しく書きましたので、参考にしてみてください。


開業届の出し方・提出方法は?

提出方法

開業届を提出するには、 以下の3つの方法があります。

開業届の提出方法

  1. 郵送
  2. オンライン申請
  3. 直接税務署の窓口に提出

(1)郵送

郵送の場合は、以下のものを封筒に入れ、宛先に提出先の税務署の住所等を記載し、発送します。

  • 開業届およびその他必要書類(青色申告承認申請書など)
  • 上記の控え
  • 切手を貼り、宛先に自分の住所と名前を記載した返信用封筒

「控えも税務署に送るの?」と思う方もいるかもしれませんが、控えに税務署の受付印が押されていないと、正式な控えと認められないので、忘れずに同封します。
日常的に控えはあまり重要ではないからと軽視される方も多いと思いますが、開業届の控えは、事業用の銀行口座を開設したり、事業用のクレジットカードを発行したり、いろいろな場面で提出を要求されますので、確実に保管しておかないと、後々困ることになります。

2020年、2021年は、給付金や支援金の申請をする機会が多くありましたが、これらの申請の際に開業届の控えを紛失していたり、受付印のない控えを保管していたりして、実際に困った方がたくさんいましたので、大切に保管しておくことが重要です。
(後から税務署に控えを発行もしくは再発行してもらうことも可能ですが、発行までに1か月以上かかると言われた方もいたので、そのようなリスクは最初から避けた方が無難です。)

また、せっかく返信用封筒を同封しても、返信用封筒に切手を貼っていないと、残念ながら返送されませんので、ご注意を。

余談ですが、実際に私たちのお客様であった話ですが、きちんと青色申告承認申請書を提出しているのに、開業から数年後に税務署から「青色申告承認申請書が提出されていない」と、税理士の先生の元に連絡がきたことがありました。
確認したところ、お客様はきちんと受付印の押された書類をお持ちだったわけですが、こういった場合に書類を紛失していると、何も主張できず、元々未提出だったと決めつけられて、過去の青色申告を取り消され、追加で税金を納めなくてはならなくなる可能性が高くなります。
税務署の方は一言の謝罪で済む話ですが、本人にとっては一大事です。
こんなことは滅多にないと思いますが、何かあった時に怖い思いをしなくて済むように、お金に関する書類はきちんと保管しておくようにしましょう。

(2)オンライン申請

開業届や青色申告承認申請書などは、紙に印刷せずにWEB上の入力・操作だけで提出まで完結することも可能です。
いわゆる電子申請ですが、これはインターネット上で、e-taxやfreeeのサービス(WEBシステムとアプリ)を利用することで、行うことができます。

なお、電子申請の際には「マイナンバーカード」が必要です。
カードリーダーやスマホでマイナンバーカードの読み取りをしますので、通知カードでは代用できません

オンライン申請ということですが、現段階ではスマホだけで完結はできず、すべての手続きをオンラインで行うとなると、やはりパソコンが必要です。
「e-tax」とfreeeのサービスのどちらを利用するのが良いかというと、個人的に「e-tax」はサイト・マニュアルの説明・システムのどれをとってもわかりづらいので、freeeのサービスを利用した方がスムーズかと思います。

各手続きを行う中で、部分的にfreeeのサービスではないものも利用せざるをえないのですが、これらの手続きや操作方法もfreeeが詳しいマニュアルを用意してくれているので、問題なく進められます。

少し話がそれますが、「確定申告」を電子申告で行うと、青色申告特別控除が55万円ではなく、 65万円まで認められるので、節税の観点では電子申告がおすすめです。
こちらのページに、青色申告について少し詳しく書いていますので、気になる方は参考にしてみてください。)

「確定申告は電子申告で行いたい!」という方は、その準備の意味も込めて、開業届の提出からオンラインで行っておくのが効率的ですが、「まずは急ぎで、手間なく開業届を提出したい!」という方は、無理してオンライン申請を選ぶ必要はありません。

オンライン申請は、普段からパソコン操作に慣れている方であれば、そこまで悩むこともないと思いますが、パソコン操作に慣れていない方にとっては、それなりにステップも多いので、途中で挫折してしまうかもしれません。そういった方は、まず開業届の作成だけオンラインで行うと、ストレスが少なく済むと思います。

ちなみに、e-taxやfreeeを利用して開業届を提出した場合の控えですが、開業届に加えて、 e-taxの場合は「メール詳細」、freeeの場合は「受付完了通知」というものが控えの証明となります。
これらはPDFできちんと保管しておくようにします。

(3)直接税務署の窓口に提出

直接税務署の窓口に提出する場合は、以下のものを管轄の税務署に持って行きます。

  • 開業届およびその他必要書類(青色申告承認申請書など)
  • 上記の控え

郵送提出のところでも記載しましたが、控えは必ず持って行くようにしてください。
原本と控えを窓口に持って行くと、控えはその場で受付印を押して返してくれます。
急ぎで開業届の控えを欲しい方は、この方法が確実です。


開業届の提出先は?

開業届は、基本的に自分の事務所・店舗の住所を管轄する税務署に提出します。
自宅でお仕事をされる方は、自宅が事務所になりますので、自宅のエリアを管轄する税務署が提出先になります。
管轄の税務署は「○○(地域名) 税務署」と検索すれば、すぐに調べられます。

なお、度々紹介している「開業freee」を利用すれば、流れの中で提出先の税務署がわかります。
最終的な印刷資料の中に、提出先の税務署の宛名ラベルもありますので、「開業freee」を利用する予定の方は、ご自身で調べる必要がありません。

ちなみに私は、個人事業主の開業届は郵送で問題なく提出できたのですが、法人の設立届は管轄でない税務署の窓口に提出するという、残念なミスを犯しました。
自宅の住所を管轄する税務署と、法人の事務所の住所を管轄する税務署が別なのですが、うっかり自宅の住所を管轄する税務署に提出してしまったのです。
書類には正しい税務署の名前を記載しておきながら。

ただ、税務署の方も気付かなかったので、その場で何事もなく受理され、後日電話がかかってきて、初めて自分のミスを知りました。
やり直しかと思いきや、間違いを指摘されただけで、今後正しい税務署に提出すればよいという話でしたので、私の設立届には、管轄ではない税務署の受付印が押されております。

確定申告もそうですが、仮に間違った税務署に提出しても、内部で情報を共有してくれるので、「未提出」扱いにはならないようです。
とはいえ、税務署の方の気付くタイミングによっては、正しい税務署に再提出することを依頼される可能性がありますので、私のようなミスをしないよう、お気を付けください。
(同じようなことが起こっても、税務署や担当者によって判断が異なるというのは、よくある話ですので、最初からきちんとルールを守っておくのが安心です。)


開業届の提出期限は?

提出期限

開業届は、原則として、開業してから1か月以内に提出するものとされています。
ただ、1か月を過ぎたからと言って、特に罰則はありません
何か月も経ってから提出しても、普通に受理してくれます。

重要なのは、「青色申告承認申請書」の提出期限で、こちらは開業から2か月以内に提出しないと、 その年の確定申告で青色申告を行うことができません
提出は義務ではありませんが、提出しないと、単純にメリットを享受できなくなります。

もし、期限を過ぎた場合、翌年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出すれば、翌年の確定申告からは青色申告が認められますが、無駄な税金を払わなくて済むように、せっかくなら初年度からきちんと青色申告が適用されるようにした方が良いと思います。
青色申告承認申請書については、余裕をもって、早めに提出するのが安心です。


開業日っていつにしたらいいの?

開業日は、基本的に自由に決めて問題ありません
開運日などの縁起の良い日や、自分の思い入れのある日などでも大丈夫です。
ただ、個人事業主の立場を前提とした業務委託契約などをする際は、開業日をそれ以前の日にする必要があります。

一方で、まだ売上の発生の見込みがないうちに、開業届を出す必要はありません
実際に作業を始めてみて、売上が発生することがわかってから、好きな日を開業日に決めれば大丈夫です。
青色申告承認申請書の提出期限も踏まえて、過去2か月以内の日付にします。

ちなみに、税務署への提出日が開業日になるわけではないので、土日でも問題ありません。
開業日前に発生したお仕事関連の支払いも経費に計上できるので、領収書などは、開業日前のものであっても、捨てずに保管しておくことが重要です。


開業届に関する注意点は?

注意点

開業届の提出については、手続きも難しくないですし、何か間違えても、基本的に後から修正がきくので、そこまでミスを怖がる必要もありません。
それよりも、一旦開業届を出すと確定申告の義務が生じますし、やめるならやめるで廃業届の提出が必要になりますので、本当に事業をやる気があるのか、自分の中で納得してから開業届を出すことが大切です。

最近では、会社に勤める傍ら、個人事業主で副業を行う方も多くなってきたと思いますが、そういった方は、勤めている会社を辞める時に注意が必要です。
もし、「副業が大きく成長したので、副業を本業にする」ということであれば、個人事業主を継続することが前提なので問題ありません。

一方、会社を辞めた後、転職を予定しており、その間、失業保険を受け取りたいと考えている場合は、廃業も検討する必要があります。
個人事業主としての地位を残しておくと、失業状態と認められずに、失業保険が受け取れなくなる可能性がありますので、個人事業主としての収入があまりないのであれば、廃業する選択をした方が、メリットがあるかもしれません。

ここまで私の個人的な考えをリアルな体験・感想などをまじえながら、いろいろと語ってきましたが、開業届の提出に関して、何かお役に立てた部分がありましたら嬉しいです。
ぜひ、スムーズに開業届の提出を済ませ、ご自身のビジネスに楽しく取り組んでくださいね。

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